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2025年3月11日 ヨブ記7章

  • hccnichigo
  • 3月11日
  • 読了時間: 3分

『痛みで眠れぬ夜』


 ヨブは痛みのために、夜は長く、夜明けまで寝返りを打ち続けていると苦しみを訴えて、身体の痛みと同時に、たましいも苦悩の中で嘆いていると自分を表現しています。そうして主に、私のことを心に留めてくださいと懇願するのです。しかし主からの答えはなく、もんもんとした夜は続くのです。


 16節「もういやです。いつまでも生きたくありません。かまわないでください。わたしの日々は空しいのです。」このような痛みを味わったことのある人もおられるでしょう。この苦痛を逃れるために、生きたくありませんと思う人は、大変多い事を私たち多くの者は、人生経験から知っています。


 日本の電車での経験ですが、確か中央線で三鷹駅あたりだったと思うのですが、夕方遅くに帰宅途中に、その駅に到着する時に飛び込み自殺がありました。しばらく停車した後に、アナウンスがあって、一番前のドアを避けて、うしろから皆さん、下車してください。その時に飛び込み自殺とアナウンスされたかどうか覚えていませんが、乗客の皆が状況を理解したのです。しかし、驚いたのは乗客の反応でした。前に座っている学生たちは、何事もなかったようにスマホをいじりながら、にっこりする者もいれば、またかよ、早く帰りたいのにまったく、と呟く人もいました。恐らく、自分達にとっては初めての経験ですが、一部の乗客にとっては経験済みだったのかもしれません。そして、あっという間に駅員さんたちが自殺者を担架で運び出すのですが、何人かがブルーのターフで担架を囲み、人が見れないようにして運び出すのを驚きながら見ておりました。 あまりにも手際良い手配に、逆にこれがしょっちゅう起きている事件なのだと思いつつ、見も知らぬ自殺者の冥福を祈ったことがありました。 私たちは皆、希望を失うこと、魂の苦痛、身体の痛みから逃げるために、生きる意志を失ってしまうのでしょうか。


 それでも、ヨブが訴えかけている相手は、主なる神に対して、自分の苦悩をなりふり構わずに、21節「どうして、あなたは私の背きを赦さず、私の咎を取り去ってくださらないのですか。」と怒りを直接、主なる神にぶつけているのです。自分がこのように、身体の痛みや魂の苦痛を受けた時に、主に対してではなく、自分の方に怒りを向けてしまわないだどうかと考えながら、自分自身にその怒りをぶつける時に、生きる意志を失うことになることを理解しました。しかし、これ以上、下がる事が出来ない所まで落ちて行きますと、地球でも地殻にぶつかりますように、そこに常におられる、すべての創造主たる主にたどりつくことになるのでしょうか。そしてそこに、私たちの、痛み、怒り、どうしようもない苦悩を投げかけてゆく、そこに痛みを聴いてくださる主がおられることを忘れてはなりません。


祈り

今おられ、昔おられ、やがて来られる主が、私たちがどのような状況に置かれ、これ以上の苦しみ、苦悩がないと思っても、そこにも主がおられることを忘れることがありませんように、私たちを導きください。 アーメン 

文: 森 宗孝



 
 
 

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