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2025年5月13日 詩篇第8篇

  • hccnichigo
  • 5月13日
  • 読了時間: 3分

『人の尊厳』


 ここには、最初(1節)と最後(9節)は、主への語りかけ「主よ 私たちの主よ」から神を讃えることばで満ちています。創造主を讃え、世界をお造りになったみわざを讃えながら、そのような偉大な神が

目をかけて下さっている、ちりから出来た私たち人間に栄光と誉れを下さったと対比しています。


5節「あなたは人を、御使いたちよりわずかに低く造り、これに栄光と誉れの冠をかぶせました。

私たち人間は、病気になったり、すぐに現実問題で悩んだりする弱い者です。そのような弱い私たちを神は、心に留めて下さっているというのです。そして御使い、天使よりもわずかに低く造られたというのは大変なわざであったと思うのです。 確かに、人には神に似せた創造力、例えば音楽であったり、絵画であったり、芸術だけではなく、色々な材料を使って子供達においしものを食べさせる料理にも、創造力が働いていると思っていますが、しかし、私たちには限界があって、天使のように神に直接近づくことはできません。天と地上を行き来することもできません。永遠の命も未だ頂いておりませんので、御使いたちよりもわずかに低く造られたと記したのであろうと思います。 創世記を読んでも、天使やサタンの創造は記されていませんが、天地創造の六日目に、人が造られたことを、非常に良かったとすべての創造のピークとして位置付けています。私たちに神は栄光と誉れの冠を用意されているのです。


 アダムは確かにちり(アダマー)から造られ、罪を犯したために肉体と霊的死を迎えてしまいますが、神のかたちとして、地の上を這うすべてのものを支配するように設計された、神の作品であり、そこに

人の尊厳があるのでしょう。同時に人はその弱さの故に、迷います。どちらの生きる道を選ぶのか、職業だけでなく、人生の伴侶を選ぶ時、家を買う時、何が主が求めている道なのかが見えないので、悩むわけです。まっすぐに歩みたいと思っても、歩めない。善を行おうと思っても、かえって悪い結果を招いてしまう、しかし神は初めから弱さをもった人間としてお造りになった。その弱い人間を神は心に留めて、考慮して下さっている。すばらしい恵みではないでしょうか。


 弱いからこそ、神をより頼み、神に祈る存在なのです。そして神に満たされてはじめて、人は人となる。人としての魂が回復するのではないでしょうか。ヘブル書2章6〜7節には、この詩篇8編が引用されています。そしてヘブル書2章10節には主イエスが、弱い私たちを栄光に導くために十字架にかかられたことが明記されているのです。「多くの子たちを栄光に導くために、彼らの救いの創始者を多くの苦しみを通じて完全な者とされたのは、万物の存在の目的であり、また原因でもある神に、ふさわしいことなのです。」


祈り

神が私たちをみこころに留めてくださり、御子イエスまでもこの地に送ってくださって、私たちの救いのために、私たちが頂いた尊厳を取り戻すように、十字架にまでかかって下さった事に感謝いたします。アーメン 

文: 森 宗孝


 
 
 

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