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2023年6月13日 創世記 27章

「長子への祝福」


 アブラハムは25章で自分の財産全てをイサクに与えたとあります、他にもたくさんの子ども達がいたのですが、彼らを東方の国に行かせて、イサクから遠ざけたともあります。アブラハムの受けた祝福の全てを手にした長子としてのイサクですが、裕福であるはずの彼自身の家族を良く見ると、決して理想的な家族ではありませんでした。お父さんのイサクは、息子のいかにも男性的で、狩猟好き、どちらかと言うと大まかな性格、長男エサウを可愛がりますが、お母さんリベカは、もっと家庭的、料理好きで、おとなしいタイプの弟ヤコブを溺愛してしまうのです。

 

 現代の家庭でも、父親と母親の偏愛の問題はあります。子ども達のどちらか一方が可愛くて、育ててしまう問題です。そのような偏った愛の家庭で育った子ども達は問題児になりやすいのではないでしょうか。この27章では、裕福であったために逆に息子たちが、それぞれ反発しながら育ってゆく、今の核家族を思い浮かべてしまいます。

 

 そのような家庭の中でも、神の摂理を受けているのは弟のヤコブである事を聖書は明らかにしています。決してヤコブが信仰深く、神に従順であったからではないのです。そんなヤコブは自分の知恵で長子の権利を、お父さんを騙して受け取ろうとするのです。目がかすみ、死を目前にした父の前に、兄のエサウのふりをして欲しがっていた料理を餌に、長子の祝福を得てしまいます。

 

 イサクがヤコブに与えた、預言的な祝福は、37節「イサクは答えてエサウに言った。「ああ、私は彼をおまえの主とし、すべての兄弟を彼にしもべとして与えた。また穀物と新しいぶどう酒で彼を養うようにした。わが子よ、おまえのためには、いったい何ができるだろうか。」」それに対して、イサクの後からエサウが遅れてやってきて自分にも祝福をと願うのですが、与えられた言葉は39〜40節(抜粋)「「見よ。おまえの住む所には地の肥沃がなく、上から天の露もない。おまえは自分の剣によって生き、自分の弟に支えることになる。」

 エゼキエル書35章で、エサウの子孫にあたるエドム人は預言の通り死海の南の山岳地帯に住みます。そしてイサクの子孫であるイスラエル民族に仕えながらも敵対して、南ユダ王国が滅ぼされた時にそれを喜んだ罪で裁かれる事になってゆくことになるのです。


 このようにして、父親を欺いて調子の祝福を手に入れたヤコブですが、今度は逆に、叔父ラバンから騙されてしまうという話に繋がってゆくのです。聖書は神に信頼して頼らずに自分の力で推し進める者には、それなりのしっぺ返しが下る事が記されています。


 可哀想なのはお母さん、ヤコブを溺愛していた母リベカは、お兄さんの復讐を恐れて彼女の実家の叔父ラバンの所に逃げ出すようにヤコブを送り出すのですが、これを最後にヤコブと2度と再開することは無く、亡くなってゆくのです。彼女はきっとお兄さんエサウから冷たい目で見られながら、ヤコブの事を思いつつ、年老いていったのではないかと思うのです。


 問題を抱えた家庭、それでも神は見守りながら、神の摂理に基づいて訓練し、砕かれた心を持つように促しながら、我慢強く見守って下さる姿が描かれているのではないでしょうか。


祈り

 私達のように、弱さを持った人間を切り捨てずに、ちょうど産まれたばかりのヒナを御自分の翼の下で育てながらも、訓練するような我慢強さで導いていて下さる神に、感謝致します、どうか私達一人一人が、主の求められる生き方を理解して、主のみことばに従うことができますように。アーメン 

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