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2022年3月11日 ディボーション

箴言 25章


「自分の霊を制することができない人は、城壁のない、打ち破られた町。」(28節)

 数年前に、境界性パーソナリティ障害(Borderline personality disorder)と診断された私は、怒りやすく、物事の白黒をはっきりつけたがり、感情が不安定で、過食やオーバードーズを繰り返していた。自分を制することができず、まさに廃墟と化した町のように心が荒れ果てていた。

 それからしばらく後に聖書を読むようになり、箴言の「怒りを遅くする者」という言葉に出会った。

怒りを遅くする者には豊かな英知がある。気の短い者は愚かさを増す。」(14章29節)

怒りを遅くする者は勇士にまさり、自分の霊を治める者は町を攻め取る者にまさる。」(16章32節)

 怒りの人間だった私は、同じく怒りの父親から受け継いだDNAだから仕方がないと諦めていたが、怒りを遅くする者に変わりたいと強く思った。 

 自分の心を治められずにすぐ怒る独り善がりの人は、みっともないし、人間関係もうまくいかない。若い人ならまだしも、節度ある振る舞いができない高齢者の姿は、本当に見苦しい。

 先日、日本で暮らしている高齢の母と久しぶりに電話で話した。母は相変わらず支配的で、娘である私を自分の思うように操作しようとする。ある件について、両親の希望している事には応じられないとキッパリ断った私に、母はこう言い放った。

「あなたはねぇ、お母さんのお腹の中にいた時からずっと、つわりで私を苦しめたのよ。何度も中絶しようと思ったんだけど、そうしなかった事を今すごく後悔してるわよ。娘なんて産むんじゃなかったわ、何がクリスチャンよ!親の言うことに従わない人間は地獄に堕ちるわよ!」

 数年前の私なら、電話を切った途端、疾風怒濤のごとく荒れ狂い、物を乱暴に扱い、持って行き場のない怒りを、関係のない夫に向けて発散しただろう。

 しかし今回は違った。

 感情を自制することができた。母の言葉に神経をとがらせることなく冷静に対応して電話を切ることができた。自分の心を取り囲む城壁によって、母の吐く毒の攻撃から守られた。私にとっての城壁は、神様のことばとイエス様の愛、聖霊の助けだ。

 天のお父さんは確かにいてくださる。短気で愚か者の私を、自分の心を制する者へと造りかえようとしてくださっている。そのことを実感した出来事だった。心が晴れ晴れとした。負けるが勝ち、ということわざがあるけれど、その本当の意味をはじめて知ったような気がした。

 この25章には、人間関係に必要な教えがギュッと詰まっているように思う。

 謙遜になること、言葉に注意すること、相手の立場を配慮すること。どれもが簡単なようで、実行するのがものすごく難しいものばかり。特に、21節。

「あなたを憎む者が飢えているなら、パンを食べさせ、渇いているなら、水を飲ませよ。

 自分に対して口撃してくる人に、慈悲の心を行いで示すことは容易ではない。けれども、自分が何をしたいかではなく、神様が何を求めておられるかを考えたときに自然と生まれてくる行為は、人間関係を豊かにし、世界に平和をもたらすはず。

だれに対しても悪に悪を返さず、すべての人が良いと思うことを行うように心がけなさい。」(ローマ12章17節)

 愛する天のお父様。私たちの世界には、怒っている人がたくさんいます。悲しいです。傷つきます。どうか、怒っている人たちが自分の心を制することができますように。そして、私たちの社会に今いちばん必要なものをお与えください。主イエスキリストの御名によってお祈りします。アーメン

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