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2022年11月15日 ディボーション

エゼキエル書27章


「ツロへの哀歌」


 前の章でもツロを説明されたのでかさなるかもしれませんが、この章にある海運で繁栄した港町、ツロが何を意味するのか考えてみた。ツロは地中海貿易で非常に栄えたフェニキアの町で、イスラエルとユダの南北王朝の時、エリアの時代に北イスラエルの悪王アハブはフェニキア、シドン人の王の娘イザベルを妻とし、バアルのために祭壇を築いた(参照 第一列王記16〜17章)。聖書の中には悪妻が出て来るが中でも最悪なのはこのツロで代表される貿易で富に満ちたシドンから政略結婚して嫁いだイザベルです。女王イザベルは多くの主の預言者たちを殺したとある。預言者エリアはイザベルの食卓に着く450人のバアルの預言者とカルメル山で対決した話を思い出しますが、物質的な繁栄は自分達の力を過信させてあらゆる偶像礼拝に向かいます。

 ところで今のアメリカどうでしょうか。清教徒の建国のこころざし、神を中心とする国を目指すという目標は忘れ去られてしまったのでしょうか。日本はどうでしょうか。物質的な繁栄を生きる為の最大の目標にしていないでしょうか? このツロと違いがあるのでしょうか?

 黙示録18章にもバビロンの繁栄を支えていた商人たち、海運の者たちが一瞬のうちにバビロンを裁いた神に対して嘆き悲しむ姿があります。ツロは人間的な繁栄の中で道徳的に腐敗し、イスラエルに悪影響を与える者たちを意味しています。物質的な繁栄は道徳の後退となります。

3節抜粋「ツロよ、おまえは、「私は美の極みだ」と言った。」これはツロに向かったことばですが、同時に物質的な繁栄を中心にしている者や神に反逆する者に対するみことばでもあると思います。


 自分は海運業に長い間おりました。世界の主役の場は、今は太平洋でアジアから北米の荷動きが中心でアジアから欧州向けも活発です。第二次世界大戦前の舞台は大西洋で欧州から北米を結ぶ航路が世界の中心でした。物の動きが米国を中心にして欧州からアジアへ移ってきたわけですが、そのもっと以前の貿易は地中海が主役でその中心的な貿易港としてツロが栄えたのです。ツロには金銀から鉛、青銅の器具、馬、らば、象牙、宝石、珊瑚、穀物、乳香、織り物などあらゆる商品が地中海の国々と取り引きされていた。アジア、中近東とヨーロッパの貿易で栄えたのです。しかしこのツロの運命も預言されています。34節「おまえが海で打ち破られ、おまえの商品とおまえの全集団が、おまえとともに海の深みに沈むとき、」とあります。           

 ツロ(別名ティルス)はアレキサンダー大王に反抗しティルス島に立て籠りますが(BC332)、大王が1キロの埋めたてをして島へ攻撃し1万人が殺されています。

 主はエゼキエルを通じて、物資主義を中心にする者たち、私達に警告を与えているのではないでしょうか。資源の少ない日本は貿易で栄えます、25節抜粋「おまえは大海のただ中で満ちあふれて、大いに栄えた。」私達が愛する母国日本にキリスト教が浸透しない理由のひとつは、日本人の中にあるおごり、日本人であるという高い誇りの心、経済を発展させたという自負が砕かれた心を喜ばれる神の目には日本がツロのように写っているのではないでしょうか?

 主は私たちに、助け手として聖霊を下さいましたが、受け取っている私たち信者はこの世にいる肉の存在なのです。ですから肉の身体を維持する為に必要な物質は大切なのです。しかし神が生活に中心となるべきで、肉体を保持する物質が第一になってはならないのです。

 先日ネットフレックスで見た映画、Japan Sink 日本列島沈没、だいぶ前に本が書かれていましたが、面白い映画となっていました。関東平野が沈みだしたりする姿にこのツロの港町を思い浮かべました。


祈り

どうか私たちの生活の中で、物を欲しがることから主のみことばをまず欲しがるように聖霊の助けがありますように。主のことばが私たちの中にとどまりますように! アーメン


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