『まずは羊の門の再建』
この3章では、それぞれの地区の代表たちが協力して城壁の再建にとりかかった事を見る事ができます。非常に面白い事ですが、城壁の建設の際に、どこから取り掛かったかといいますと、まず大祭司エルヤシブと祭司たちは、羊の門の再建に取り掛かりました。神殿へ、いけにえの子羊を連れて通るこの門が重要だったのでしょう。羊の門と聞いて、ピンとくる方は居られますか?実は、新約聖書にも、羊の門が出てきます。
ヨハネの福音書5:2「エルサレムには、羊の門の近くに、ヘブル語でベテスダと呼ばれる池があり、五つの回廊がついていた。」ここで38年も病気になった人を主イエスが癒します。ベテスダ(ベテサイダ)の池の水には癒しの効果があると信じられていた場所で主イエスが安息日に、この病人を癒すのです。そうしてヨハネ10:7には「そこで、再びイエスは言われた。「まことに、まことに、あなたがたに言います。わたしは羊たちの門です。」とここでも羊の門が出てきます。
エルサレム神殿にとって、城壁の中でも一番に羊の門が祭司たちによって再建された、それはいけにえの子羊が通る門でもあったこと、やがて癒しの池ベテスダへの通り道となります。神の子羊イエスが、わたしが羊たち(複数)の門と宣言した意味の深さは計り知れない響きがあります。そうしてこの羊の門には、若獅子が描かれていたので、やがて獅子の門とも呼ばれたようです。これも自分の考えすぎかもしれませんが、神の子羊としてこられたイエスが、もう一度再臨されて、この世に来られる時には、世を裁く王、獅子として来られるという奥義が示されているように思いました。
しかし、ネヘミアに戻り、3章ではすべてのエルサレム住人が一致団結して城壁建設に従事したとは書かれていません。5節「その傍らではテコア人たちが修復を行ったが、彼らの貴族たちはその上役に頭を下げることはなく、工事に協力しなかった。」ここに出てくる貴族たちは、主イエスの時代にはサドカイ派となって、宗教指導者パリサイ派と共に、七十人から成るユダヤ最高法院を形成して、主イエスを十字架につける役目を果たすことになる貴族階級、ネヘミア時代にも、城壁の工事に手を貸す事がありませんでした。それでも、ユダヤの民は、それぞれ各自の家の前の門を協力して建て上げたので、ネヘミアの城壁工事は順調に進んだのです。
祈り
現代のHCCにおいてもネヘミア・プロジェクトとも言える教会堂隣接の土地に、新しい牧師館や多くの人たちの交わりの施設を建てようとしております。しかしながらこの数ヶ月は、献金の総額が目標に達しておらず、年間の献金総額も、毎年、前年比で数%減少しているのが現実です。教会のメンバーが年金暮らしの人が増えてきている中で、それは予想されたことかもしれませんが、ぜひ教会が一丸となり、心をひとつにして、目標に進むことができますように、導きください。アーメン
文: 森 宗孝
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