top of page
hccnichigo

2024年9月23日 使徒の働き8章

『ピリポの伝道』


 使徒の働きは、キリスト教がエルサレムからローマまで、人の計画に基づかずに、どのように広がっていったかという歴史を記しています。やはりその歴史の中心人物は、まずペテロで、次にパウロの働きです。しかし、この8章には、伝道が12使徒から離れて、平信徒のクリスチャンに移り、彼らが聖霊を受けた時の伝道が記されているように思います。確かに、まずクリスチャンを迫害するサウロ、やがてパウロと呼ばれる以前の姿が前座のごとく紹介されます。そしてユダヤ教に敵対するクリスチャンの教会を荒らし、男も女も牢に入れたサウロが描かれています。しかしそのような迫害の嵐がエルサレムを襲ったの描かれています。これら地方に散らされたクリスチャンは、福音を伝えながら巡り歩いたとありますから、父なる神は、このような迫害をも、世界への福音伝道のきっかけとしてお許しになったと思うのです。信者たちが自ら企画して動いた伝道では無かったのです。そして、この時のエルサレムのクリスチャン迫害するサウロが、ステパノの最後の叫び「主よ、この罪を彼らに負わせないでください」との叫びは、やがて改心し名前も変わる若きパウロの心に響き続けたのではないかと思うのです。


 さて、ここに主に登場するピリポは、12使徒のピリポではなく、教会の世話役(使徒の働き6章5節)ステパノと同時に選ばれた平信徒ピリポです。教会では寡婦に出す食事の世話をしていた彼は、今度は異邦人に福音を配るために選ばれたのです。彼は聖霊に満たされ、導かれていたのでしょう。まずはサマリア伝道で癒しを行い、多くの人が、彼の伝道の影響で、主イエスを信じます。すると主の使いが南に行ってガザに下る道に導かれました。そこで今度はエチオピアの宦官と出会います。彼は馬車に乗っていたとあります。その馬車の横を飛ぶように走ったのでしょうか、ピリポがイザヤ書を読んでいる宦官に話しかけたとあります。彼が読んでいたのがイザヤ書53章、これは預言者イザヤが、まるで十字架の主イエスを見ながら書かれたと思うほど、イエスの十字架を表しているイザヤ53章ですが、ここから始めてイエスの福音を伝え、バプテスマを授けたとあります。大変な伝道者のピリポです。この結果ではないかと思うのですが、エチオピアでは多くのクリスチャンが起こされています。現在ではエチオピア正教会は全世界で3600万人の信者がいるそうです。


 話は飛びますが、先月パリ・オリンピック時期での伝道を語ってくださったレイカさんの話を思い起こしました。彼女はマルセイユで多くの国々の人とアップル・Phoneの自動翻訳を使いながら伝道することができ、しかも癒しの体験もされたと宣教報告をして下さいましたね。ピリポも12使徒のような特別な者ではなく、教会の世話役に選ばれたという普通の平信徒でした、しかし聖霊の導きによって特別な働きをしています。同僚のステパノは最初の殉教者ですね。聖霊に満たされた時には、信じる者に大変な力とわざが与えられることがここに秘められたメッセージではないでしょうか。


祈り

主は確かに生きておられて、私たちに聖霊を授けられて、語りかけておられます。どうか私たちが心を開き、耳を開き、聖霊のみことばを聞き取ることができますように、そうして一旦、その導きの声を受けましたら、勇気を持って行動することができますように力づけて下さい。 アーメン 

文:森 宗孝


閲覧数:34回0件のコメント

最新記事

すべて表示

2024年12月5日 歴代誌第二25章

「彼は主の目にかなうことを行ったが、全き心をもってではなかった。」―2節―  アマツヤも父ヨアシュと同様に、途中で主に従わなくなったことが記されています。主に全き心をもって最後まで従っていくことの厳しさ、むつかしさ、高慢さが問われるところではないでしょうか。...

2024年12月4日 歴代誌第二24章

「ヨアシュは、祭司エホヤダが生きている間は、主の目にかなうことを行った。」(2)  この章は、かなり気の滅入る内容だ。前章のように特別な器として神に守られて王になったヨアシュであった。彼は、壊れた神の神殿を建て直した。まさにリバイバルの器である。しかし、祭司エホヤダの死後、...

2024年12月3日 歴代誌第二23章

『幼きヨアシュ王』    神殿内で、密かに7年間も守られて育ったヨアシュ、きっと彼を守っていた祭司エホヤダの家族は祈りながら育てたことでしょう。ついに祭司エホヤダは、秘密裏のうちにユダのすべての町からレビ人の氏族の頭と連絡をとって、主が与えたダビデ契約、ダビデ王の子孫から本...

Comments


bottom of page