『南王国ヨアシュ王』
列王記って分かりにくいですね。確かに、ユダヤの歴史書ではありますが、全体は、特に預言者側から見たユダヤ民族の歴史で、ダビデ王の死に続くソロモンの即位から始まって、南王国ユダの最後の王エホヤキムのバビロン捕囚までの約120年間の歴史。南と北に分裂したイスラエル民族の歴史です。この第二列王記は特に、離散の書です。故意の罪、その罪人の道は険しい、特に神に選ばれた民が、神の意向に沿わない道を歩むと審判にあう、離散の目にあう事が記された、悲しみの書でもあります。
さて、この書(11〜17章まで)での年代の数え方は、南王国ユダの王の話をするのに、重複して、その時の北王国イスラエルの王の年代を記しています。ここ12章では北王国エフー王の第7年として対比して表しているので、北王国の歴史ではない事に気を付けましょう。これはただのユダの歴史ではなく、神の審判と恩恵の歴史で、この南王国ヨアシュ王は、祭司エホヤダのおかげで7歳で王になり40年間にわたる在位の間の出来事です。この王の恩師である祭司エホヤダの生きている間は、主の目に叶うことを行ったが、エルサレム神殿以外の所で、いけにえを捧げたりする風習を辞めさせるもう一歩が足りなかった。
善王と言いたいが、完全な⭕️ではなくて、🔺の評価の王と言って良いかもしれません。
このヨアシュ王が40年間の治世の間に、神殿を新たにすることを志し、その修理に務めたこと、しかし祭司エホヤダの死後にユダの首長たちの要望を受け入れて、アシュラと偶像礼拝を許してしまう。その結果として神の審判として、アラム王の侵略を受けて、エルサレムの宝物倉から全ての金をアラム王ハザエルに与えてしまった事件、そしてやがて、王は謀反によって殺されることを淡々と記されているのが12章です。この章から霊的に何かを受け取るように思えないのですが、もう少し噛み締めてみましょう。
一つの民族が南北に分かれる、なんだか韓国と北朝鮮のことを思い浮かべた、悪王の代表のような北朝鮮の独裁者、金正恩タイプの王が北イスラエル王国には続いて現れた、北王国は、国として勢力を増した時もあったけれど、偶像礼拝がはびこり、まずはアッシリア帝国によって滅ぼされる、南王国は、神の恩恵でアッシリアの侵略を持ち堪えたものの、その後、やはり偶像バアル礼拝に陥り、神の審判であるバビロン捕囚となってゆく。しかしこの分裂の中でたくさんの預言者たちが送られて、悔い改めのみことばを残してゆく歴史が示されている。
このヨアシュ王と祭司エホヤダのことは、歴代誌第二24章前後に、もっと詳しい記述があるので、同時に読んでみて下さい。
祈り
南ユダの歴史、主に背く姿に私たちの姿を見ます。主イエスを信じたにもかかわらず、この世の肉欲、お金や地位や権力に魅惑を感じてしまい、主の臨在を忘れてしまうのです。どうか繰り返し、悔い改めをしながら、主の戒めを心に刻むことができますように、聖霊の助けが常にありますように。アーメン
文:森 宗孝
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