『シェバの反乱』
アブシャロムの死によって、ダビデは再びイスラエルの王としてエルサレムの王宮に戻っていきます。 その王を巡ってイスラエルの人々とユダの人々が対立している隙を狙って、ベニヤミン人のシェバが人々を自分の方に引き寄せようとして角笛を吹き鳴らしました(1節)。よこしまなシェバに悪魔が強く働いて、小さな対立から国家の分裂まで引き起こそうとしています。19章では必死でダビデを自分たちの王として迎えようとしているイスラエルの人々も、シェバの呼びかけに、あっさりとダビデから離れてシェバについて行きました。
シェバの反乱に対抗するため、ダビデはアマサに人々を招集するように命じます。アマサは、ダビデから「ユダの人々を三日のうちに召集し、あなたも、ここに帰って来なさい。」(4節)と言われたのですが、約束の三日で戻らず、急を要し、アマサの代わりにアビシャイが一時的な指揮官に選ばれます。ダビデはこの時もヨアブを指揮官には選ばず、ヨアブの兄弟アビシャイを選びました。遅れてようやくアマサがアビシャイ率いる部隊と合流します。軍団長を降ろされ、アブシャロムに加担していたアマサが自分の代わりに起用されたことを快く思っていなかったヨアブは、剣を持っていないフリをしながらアマサに近づき、この時とばかりに左手に隠していた短剣でアマサを殺害します(10節)。
ヨアブに仕える者の巧みなことばで、アマサに従っていた者たちも、ヨアブを軍団長として従うようになっていきます。反乱を起こしたシェバは、アベル・ベテ・マアカまで来て、そこでヨアブたちの軍に包囲されます(15節)。ヨアブは、その町の城壁を破壊しようとしました。その時に、ひとりの知恵ある女が、よき伝統があり平和の見本とされてきたこのアベルの町を、シェバひとりのために滅ぼさないでほしいと願い出ます(19節)。ヨアブは、シェバがダビデ王に手向かっただけだから、シェバさえ引き渡してくれたら、町から引き揚げようと答えます (21節)。
そしてこの女は町の民たちの協力を得て、シェバの首をとり、ヨアブに与えます。
ヨアブはエルサレムの王のもとに戻り、再び軍団長の座につくことになります。
ひとりの知恵ある女の存在により、アベルの町は滅ぼされずにすみました。平和の見本とされ、また平和と忠実さを身につけていた彼女の存在が、またこの町にも平和の雰囲気をもたらしていたのでしょうか。どうすることが平和な道か、どうすることが自分たちの社会を守ることにつながるのか、そのようなことを常に考える雰囲気がこの町には昔からあったのでしょうか。知恵といっても、自分の欲を遂行させるためにだけ用いる悪知恵もあります。でもそのような知恵は、結局周囲に不和を生み出し、やがては自分自身をも滅ぼしていくことになります。(ダビデの結末に見て取れす。)
悪魔はたえず対立と不和をもたらしてくるので、どうすることが平和な道かを、祈りながら、主に尋ねます。まずキリストを通して、自分が平和な存在であることを求め、それがひいては、家族・教会・社会において平和を生み出す道に繋がると信じます。
主の祈り:愛する天の父なる神様、自分が平和な存在でありたいと思います。主との和解を通して、本当の心の平安を得ることが出来るよう祈ります。聖霊様を通して、導いて下さい、語って下さい。感謝して主イエス様の御名によってお祈りします。アーメン
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