列王記は、ダビデ後の治世からバビロン捕囚までの物語が記されています。歴代の王たちの歴史物語です。その他の様々な王様列伝と違うのは、歴代の王に対する評価が、主に従ったどうかで判断されていることです。たとえ領土を拡大し、経済を発展させ、インフラを整備したとしても、主に逆らっているなら、それは悪い王とみなされます。そして悪い王は、一時的には繁栄しても最終的に国を滅ぼします。
アメリカでは大統領選挙が注目を浴びていますが、国に真の平安と繁栄をもたらす良い指導者とは、主を畏れ、主の御前に祈る者です。私たちは、この国のために祈る者でありたいと思います。
1章では、ダビデ王の跡継ぎ問題が勃発します。誰が王座につくのか、駆け引きが行われ緊迫感が伝わってきます。アドニアが王になるのか、ソロモンが王になるのか、どちらも必死です。
そして関わる人物は、それぞれ策を練って動きます。しかし、神の計画の中ではソロモンが王になることが定められています。人間も必死に動きますが、その人間の動きさえも主の計画が成るために用いられているのです。
そして最後の節は「ソロモンは彼に言った。『家に帰りなさい』」(53)です。
アドニヤは、本来王になるべき人物ではありませんでした。「家に帰りなさい」とは、本来の分にあった居るべき場所に居なさいという意味でしょう。私たちは、分を越えてはなりません。神に与えられた、それぞれが置かれた場所があります。
人間の欲、罪が働くと、自分の本来の居場所と本分を見失ってしまいます。適材適所と言いますが、神の計画の中で、自分の本分、居るべき場所を見い出していきたいと願います。
天の父なる神さま。
あなたは、私たち人間の様々な思い、動きさえもすべてを用いて御心を成し遂げてくださるお方です。計り知れないあなたの計画を感謝します。
私たちが、あなたが置いてくださる場所で、与えられた本分を受け入れ、全うすることができますように導いてください。
主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン
文:関真士
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