ヨセフ物語もいよいよ佳境に入って来ました。ヨセフは、兄弟たちの愛を試したかったのでしょう。
ヨセフは、「ですから、どうか今、このしもべを、あの子の代わりに、あなた様の奴隷としてとどめ、あの子を兄弟たちと一緒に帰らせてください。」(33)というユダの言葉に、自分を制することが出来なくなり声を上げて泣いたと記されています(45:1)。
イエスは、ユダ族から誕生しました(へブル7:14)。この時、ユダが「あの子の代わりに」と言い、弟ベニヤミンのために、父ヤコブのために、自分が身代わりになるという事は、やがて来られるメシヤであるイエスのお姿を示していると思われます。
イエスは、私たちが受けるべき罪の裁きを、身代わりとなって十字架で受けてくださったのです。
また、視点を変えて兄弟たちの側になって考えてみると、神は、この兄弟たちにやり直しの機会を与えてくださっているのだと思います。以前は、妬みのあまりに弟ヨセフを奴隷として売り飛ばしました。しかし今は、弟ベニヤミンのために自分が身代わりになるというのです。
彼らは、弟のヨセフに対して行ったことを後悔していました(42:21)。その過ちに対する罪悪感は、彼らの心の中に鉛のように重く存在し続けたのです。
しかし、神はまるで「上書き」するようにして、過去の過ちを書き直す機会を与えてくださったのです。
ここで思うことは、神は、私の人生にも、何度も「上書き」の機会を与えてくださったということです。言ってしまったこと、やってしまったことは、消すことはできません。しかし神は、言い直し、やり直しの機会を与えてくださるのです。人生の物語を書き直させてくださったのです。
ヨセフの物語を読むたびに、神の計画の深さ、確かさを想います。人間の過ち、悪でさえも良い事に変えてくださる神の憐れみと力を想います。神は、私の人生にも同じ恵みを注いでくださいました。心から主に感謝します。
天の父なる神さま あなたの恵みと憐れみを感謝します。何度も何度もやり直す機会を与えてくだったことを感謝します。あなたは決して私を見捨てず、見放さない事を感謝します。
どうか、あなたによって造られた新しい人生を、主と共に歩み続けることができますように、助け導いてください。
主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン
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