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2023年5月30日 創世記 13章

「ロトと袂を分ける」


 エルサレムから南に向かいベツレヘムからヘブロンに至る山岳陵は族長の道と呼ばれている。エルサレムから北側、サマリヤやカイザリアから東のガリラヤ湖やヘルモン山にかけては緑が多いが南側は、イドマヤ、死海からはネゲブは荒野で荒涼としている。アブラムはエルサレムの南からエリコの向こうに流れるヨルダン川を見渡す場所で、カルデア人の故郷の町ウルからずっと一緒であった甥っ子のロトと袂を分けることになった。

 

 アブラムやロトは遊牧民として多くの羊、牛の群れ、天幕生活をしており緑の牧場を求めて季節によって移動していた民の群れで、敵対する民族や人の多い町から離れて暮らしていた。ロトはアブラム(のちのアブラハム)が受けている神からの恵みのおかげで、自分もたくさんの羊や牛を持ち、牧者たちも多くいたので、所有する群れの件でアブラムの牧者達といさかいがあった。恐らく誰がどの牧草地に群を連れて行くか、どこで水を飲ませるかなどで争いが起こったのではないかと考えられる。


 アブラムは可愛がっていた甥のロトにさよならを言う時が’きたのだ。これから彼自身がが行きたい所を選ぶ権利を与えて、彼よりもはるかに年配で、本来はアブラムの方が選ぶ権利があるにも関わらず腰を低くしてロトをたてた。その結果主から言葉を頂くことになった。


 14〜15節「ロトがアブラムから別れて行った後、主はアブラムに言われた。「さあ、目を上げて、あなたのいるその場所から北、南、東、西を見渡しなさい。わたしは、あなたが見渡しているこの地をすべて、あなたに、そしてあなたの子孫に永久にあたえるからだ。」


 ロトは低地の町々に住み、ソドムに天幕を移した。とあるが天幕生活が飽きたのか、彼と彼の家族はやがて彼はソドムの町の中、便利が良い都会生活に移り住み、その結果として世俗の邪悪な世界に慣れ親しんでゆきます。私たちクリスチャンも住んでいる肉の世界は、神から遠く離れた世俗的世界に居ますので、いつのまにか心の中に、この世の考え方が染み込んできてはいないでしょうか? 主への渇きがなくなって、主の約束された罪の赦し、永遠の命の約束が遠い世界のように思ってしまう事になっていないでしょうか? 


 アブラムは主からの約束の地を示されたものの、彼が生きている間に、それが実現する事は無かったにも関わらず、必ず主のみことばは実現するとの信仰の上にたっておられたので、その信仰によって「信仰の父」と、クリスチャンだけでなく、ユダヤ人にも、アラブ人にも呼ばれるようになり、彼の墓があるヘブロンには、アラブ人の礼拝者、ユダヤ人の礼拝者、クリスチャンの礼拝者が今でも訪ねて来ているそうです。 残念ながら、今回のイスラエル旅行で、ぜひ行きたいと願っていたのですが、ヘブロンはパレスチナ自治区で非常に危険度が高いので行くことは出来ませんでした。


 果たして主のみことばは実現したのでしょうか? 1948年にイスラエルが約1900年ぶりに国として独立しましたが、未だ約束の地が全て与えられた状態ではありません。しかしながら主のみことば確実に成就する事を私達は知っております。


祈り


 主よ、どうか私達もロトのように、惑わされて邪悪な世界に迷い込む事がありませんように、主のみことばを反芻しながら、主の道を歩む者となります様に、お守り下さい。

アーメン

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