ゼカリヤ書は、ハガイ書に続き「神殿再建」をテーマにしている。3章では、大祭司ヨシュア、4章では総督セルバベルに対する召命が記されている。
この二人がコンビで、神殿再建の働きを担っていくことになる。大祭司は宗教的な面を、総督は政治的、実務的な面を、それぞれが分担していく。
しかし大祭司ヨシュアは、本来の姿を失っていたようだ。「ヨシュアは汚れた服を着て、主の使いの前に立っていた。」(3節)と記されている。さらに、サタンがヨシュアを訴えていることから、おそらくヨシュアは何かしらの罪を犯していたのであろう。
神は、そのようなヨシュアを神殿再建の霊的リーダーとして選ばれた。神はヨシュアに「見よ、わたしはあなたの咎を除いた。あなたに礼服を着せよう。」(4)と語られて、ヨシュアの罪を清めてくださった。そして、ヨシュアに「もし、あなたがわたしの道に歩み、わたしの戒めを守るなら、」(7)と、念を押すように祝福の約束を語りかける。
神殿再建とは、今で言うならば、聖霊の神殿としてのクリスチャン一人ひとりの霊的形成のこと。そしてその一人ひとりが集まるキリストの教会形成のことである。そのような再建(形成)のために、神は大祭司ヨシュアと総督セルバベルをリーダーとして立てられた。
私たちが健全に霊的に形成されていくためには、霊的な導き手と実際的な導き手の両者が必要である。現代で言うならば、牧会者(牧師、長老)と執事、理事のことであろう。この両者が共にイエスを主として従い、教会形成を担っていくことが、教会の健全な形成につながっていくのだと思う。
そして、神がヨシュアの咎を清めてくださったように、この立場に就く者たちは、何よりも主の十字架の救いをしっかりと受け止めている必要がある。弱さや欠けている所があっても、立つべき所に立っているなら、神は、その器を清め、聖霊に満たし、神の力に満たして用いてくださる。
天の父なる神さま。現代における神殿再建という教会形成が行われる中で、私たちが祭司として、あるいは総督としての働き担っていくことができますように。必要な知恵と力を与えてください。聖霊の恵みによって、与えられた働きを忠実にまっとうすることができますように。
そして何よりも、主の十字架のもとで、罪の清めをいただいた者として、サタンの訴えを退けていくことができますように、私たちを励ましてください。
主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン
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