黙示録とは、言葉の通り「黙示文学」である。黙示文学とは、神の御心を現わすのに、直接的な表現ではなく、幻、数字、隠語、隠喩、象徴などを用いるのである。だから、それらを文字通りに受け取ることは出来ない。文字通りに、イエスの口から両刃の剣が飛び出ているわけではない事は誰でもわかるだろう。目が炎のように燃えている、足が真鍮であるわけではない。それらは、一つの意味を伝えようとしている黙示的表現なのだ。
12章の解釈は難解だ。1節から6節の描写は、イエスの誕生の時のことを描いていると思われる。しかし、この前後の章は患難時代のことを描いている。イエスの誕生は約2千年前の出来事であり、患難時代はこれから起こる事である。過去と未来が入り乱れているので、解釈が混乱する。
いずれにしても、サタン(竜)は、天の星(天使)の3分の一を引き連れて天から投げ落とされたようだ(4)。
この3分の一の天使は、悪霊化して親玉であるサタンの手下として働いている。そう考えると、良い天使は悪霊の2倍の数がいることになる。そしてサタンと悪霊は、天使ミカエルと天使たちに打ち負かされたと書かれている(7)。
そしてイエスの復活によって、サタンと悪霊は武装解除されているのだ(コロサイ2:15)。
サタンと悪霊は、すでに敗北している。現在、限定的な活動が許されているが、基本的に敗北者なのだ。私たちイエス・キリストを信じる者たちは、イエスにあって勝利者だ。サタンと悪霊を恐れることはない、しかし侮ってはならない。私たちは自分の力では勝つことはできない。ただイエスの御名に勝利があるのだから。
天の父なる神さま
私たちは、イエス・キリストにあって勝利者であることを感謝します。サタンと悪霊は敗北者です。私たちは誘惑に打ち勝ち、勝利者として歩み続けることが出来ますように守り導いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
文:関真士
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