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2023年10月30日 民数記第11章

『民の不満』 アイゾン直子

 いよいよ荒野の旅が始まりました。主と共に歩む喜びの道を想像したくなりますが、イスラエルの民はそうではありませんでした。民全体は不満に満ちていたのです。章の冒頭に「さて、民は主に対して、繰り返し激しく不平を言った」とあります。不平の内容については何も書かれていませんが、それを聞いた主は怒り、主の火で民を打ったことが書かれています。主の怒りは、モーセのとりなしによっておさまりますが、その場所は「タブエラ」(主の火が燃え上がった)と名付けられ、主のさばきの場所となりました。

 次に、主の火によるさばきを体験して間もないというのに、彼らは「肉が食べたい」と訴えます。これは彼らに混じってエジプトを出た異邦人たちによる不満が彼らを煽ったようです。200万人以上はいたと言われる民全体が「肉が食べたい。エジプトはよかった」と言って泣いたと書かれてあります。それぞれの天幕に住む家族も嘆いていることを聞いたモーセは遂に「なぜ、あなたはしもべを苦しめられるのですか。なぜ、私はあなたのご好意を受けられないのですか。なぜ、この民全体の重荷を私に負わされるのですか」と主に不満を訴えました。

 シナイ山を出発してから3日の道のりを経験した民の感想は不満以外の何ものでもありませんでした。民は自分たちの腹が満たされないことに不満を言い、モーセは任された責任の重さに対して不満を言いました。主はこれまで2年という歳月をかけて、彼らが神の民として生きるためのすべてを整え、行く道すべてにおいて主の臨在を約束してくださいました。しかし民はそれらの恵みを忘れ、主が与えたマナを軽視して「肉が食べたい」「エジプトはよかった」「なぜ自分たちはエジプトから出て来たんだろう」とつぶやきました。民の不信仰に怒られた主は、食べきれないほどのうずらを彼らに与え、それを口にした民を疫病で打たれました。その場所は「キブロテ・ハ・タアワ」(貪欲の墓)と名付けられ、主のさばきの場所となりました。

 「肉が食べたい」と言った民を主はさばかれましたが、与えられた責務に対して不満を述べるモーセに関しては、寛容に扱われました。主は70人の長老を彼のように預言する者とし、彼の荷を軽くされたのです。モーセの不満事体は不信仰の現れですが、彼の場合、自分の欲求を満たすものではありませんでした。不満を言いながらも、主に最終的な決断を求めています。そこがさばかれた民との違いではないかと思います。

 旅の始まりが民の罪と主のさばきであったという記述に、荒野の旅が前途多難な旅となることを予想していました。私たちもこの世という荒野を旅していますが、十字架の赦しを受け入れないなら、前途多難な旅となるということなのかもしれません。イスラエルの民が受けたようなさばきについてパウロは次のように書いています。「私たちの先祖はみな雲の下にいて、みな海を通って行きました。そしてみな、雲の中と海の中で、モーセにつくバプテスマを受け、皆、同じ霊的な食べ物を食べ、みな、同じ霊的な飲み物を飲みました。彼らについて来た霊的な岩から飲んだのです。その岩とはキリストです。しかし、彼らの大部分は神のみこころにかなわず、荒野で滅ぼされました。これらのことは、私たちを戒める実例として起こったのです。彼らが貪ったように、私たちが悪を貪ることのないようにするためです」(1コリント10:1‐6)。

 イスラエルが経験したさばきは、私たちへの教訓です。「すべてのことを、不平を言わずに、疑わずに行いなさい」という教えと共に(2ピリピ2:14)主が与える以上のものを求めていないかどうか、箴言の教えを今一度心に刻みたいと思います。

「むなしいことと偽りのことばを、私から遠ざけてください。貧しさも富も与えず、ただ、私に定められた分の食物で、私を養ってください。私が満腹してあなたを否み、「主とはだれだ」と言わないように。また、私が貧しくなって盗みをし、私の神の御名を汚すことのないように(箴言30:8‐9)

祈り:愛する天のお父さま。あなたの御名を賛美します。イスラエルの民の姿を通して、不平不満は罪であることを学びました。特に身体や心に疲れを覚える時、不平や不満の実は熟することを知りました。心とからだは一つです。心身ともに疲れた時は、どうか素直に「疲れました」と祈って、休むことを選ぶ者としてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン


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