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2022年9月16日 ディボーション

エレミヤ書52章


 エレミヤ書は、この52章で終わる。51章64節には「ここまでが、エレミヤのことばである。」と書かれている。52章は、エレミヤを通して神のことばが語り尽くされた後の「あとがき」が書かれている。すべての結果が出てしまった後の、淡々とした描写がかえって深く心に迫る。

 バビロン帝国によって南ユダは滅びたのだ。神の都エルサレムは廃墟となり、栄華を極めたソロモン大王によって建立された神殿も廃墟とされ、すべての宝物は持ち去られた。中でも「契約の箱」は、この時から今に至るまで行方が分からないままだ。さらに、民の指導者たちは皆殺され、4600人の民は捕囚となってバビロンに強制移住させられた。荒涼とした虚しい光景が思い浮かぶようだ。

 

 しかし、エレミヤ書の最後は、バビロンの獄中にいた、かつてのユダの王エホヤキンが獄中から解放され、時のバビロンの王から厚遇されたという事が書かれている。

 神はバビロン捕囚となった民を見捨てず見放さず、それでもなお神の民としてくださっていることを垣間見る。そして捕囚から70年後に、この民は再び神の都に帰還し、神殿を再建することが出来たのだ。


 私たちは、エレミヤ書を通して、神の義と神の愛を見る。「見なさい、神の慈しみと厳しさを。」(ロマ11:22)神の義に畏れおののき、神の愛に希望を見出す。どちらも同じ神だ。神の義があるから、神の愛が分かる。神の愛があるから、神の義が分かる。

 エレミヤ書をはじめとする預言書を通して、私たちは義なる神を知り、愛なる神を知る。


 聖書には、この後のエレミヤの消息については書かれていない。エレミヤが契約の箱を運び出してどこかに隠したなど、色々な伝説があるようだが確かなところは分からない。

 それでいいのだ。エレミヤの務めは、神のことばを語ることだから。迫害を受けながら、涙を流しながら、エレミヤは語るべきことを語り抜いた。それ以外のことは分からなくていいのだ。  

 私たちは、エレミヤを通して語られた神のことばを、今私に語られていることばとして受け止め、神のことばに従う者とされたい。

 

 天の父なる神さま。 

 エレミヤ書を通して、あなたのご自身を知ることが出来たことを感謝します。あなたを畏れつつ、あなたを愛します。

 神のことばを一つも無駄にすることなく、神のことばに生きる私たちとしてください。 主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン


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