イザヤ書51章
『あなたは私の民だ』
「わたしはあなたの神、主。海をかき立て、波をとどろかせる。その名は万軍の主。わたしのことばをあなたの口に置き、この手の陰にあなたをかばい、天を置き、地の基を定め、『あなたはわたしの民だ』とシオンに言う。」(15‐16節)
私たちを守り、愛してくださる神、という存在を信じないなら、誰が守り、愛してくださると信じるのか。
クリスチャンになる以前の私は、人の言葉を信じていた。親や姉妹、友人や会社の同僚など、仲が良ければ良いほどに、その関係が近ければ近いほどに、互いに傷つけ合う機会は増え、距離を置いた関係へと変化するが、時がすべてを解決するよ、とか、何とかなるよ、という言葉を信じていた。
また私は、目に見える物だけ信じていた。見えない不確かなものより、見えるもの、特にお金に対する執着心はかなりあった。お金は私に安心を与えてくれたし、お金は私を裏切らない、と信じていた。
そして、私は自分自身を信じていた。自分以外で信じ、頼れる者はいないと確信していた。どんな状況にあっても、まるで暗示をかけるように、ひたすら自分を信じた。
しかし、それらが私を愛したり、守ったりはしてはくれないことも、心のどこかでは気付いていた。だから、絶望しないために、お酒を飲んだり、友人たちとふざけ合って、自分をごまかしながら生きていた。
昔教会で、マスクを外そう、という学びに参加したことがある。人はだれしも知らず知らずのうちに仮面をかぶり、本当の自分をその仮面の下に隠して生きているという。確かに、イエスというお方に出会うまでの私は、仮面を付けて生きていた。いや、たぶん、今でも、状況によっては仮面を付けていることがある。
この仮面は、いわゆる建前と本音を分けるという日本人特有の性格が、私の中にも深く根付いているということである。どれだけ神のみことばを学ぼうとも、拭いきることのできない性格である。
この性格は、日本人を表す最も顕著な性格であるらしい。英語に訳してもそのまま「Honne to Tatemae」と表現され、日本人は感情と行動が一致しない人種であることを世界の人たちは知っている。だから日本人と交渉する際は、まず建前から入って、その後徐々に妥協点を埋めていくといった方法がとられるという。
しかし、すべてを創造された全知全能なる神はご存じである。仮面の下にいる本当の自分を神は知ってくださり、そして愛してくださっている。そして「あなたはわたしの民だ」と宣言し、今日も励ましてくださる。
「義を知る者たちよ、わたしに聞け。心にわたしのおしえを持つ民よ、人のそしりを恐れるな。彼らの、ののしりにくじけるな。」(7節)
「わたし、わたしこそ、あなたがたを慰める者。あなたは何者なのか。死ななければならない人間や、草にも等しい人の子を恐れるとは。」(12節)
祈り:愛する天のお父さま。御名をあがめます。あなたのみことばに感謝いたします。この世と調子を合わせて生きていこうと、知らず知らずの間に仮面を付けている自分がいます。どうか、あなたのみことばによって目覚め、あなただけを恐れて生きていくことができますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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