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2022年5月13日 ディボーション

イザヤ書 13章


 日本の小学生たちが、我が家にホームステイしていた時のこと。有名私立校に通っているA君が、公立校に通っているB君に向かって言った。

「お前さぁ、なんでそんなに食べ方が汚いの?やっぱ、公立に通ってる奴らってクズだよねぇ、行儀悪いし頭悪いだけで、良いところなんてひとつもないもんなぁ、ホント、社会の迷惑なんだよねぇ」

 私自身、公立小学校に通った人間なので、自分も一緒に責められているような気分になったけれど、何も言わず黙っていた。何も言えなかった。

 確かにA君の発言には耳を疑った。だけど、A君を責めることはできないとも思った。自分にも、人を見下したり偉そうに振る舞う性質があるからだ。

  

 人間は、一番になりたがる。地位や名声を欲しがる。あるいは、他人の権威を笠に着て、事あるごとに権力者の名前を出し、自分が権力者であるかのような態度に出る。

 私には2人の弟がいて、ひとりは京大医学部卒業後、医者になり(が、42歳で自殺した)、もうひとりは貿易会社を経営して大成功をおさめている。

 私の父は昔から、聞かれてもいないのに息子の学歴や職業を自慢げに話した。まるでそれが自分の栄光であるかのように。

 親戚一同、見栄の張り合いをしているエリート意識の高い集団の中で、これといって誇れるものが何もなかった私は、彼らが集まる席でいつも肩身の狭い思いをした。

 だから、有名私立校に通うA君のように、自分よりも劣っている(ように見える)人物を見下し、そうすることで劣等感を優越感に変え、鬱憤を晴らしていた。

 

 多かれ少なかれ人間は誰しも、高慢で尊大な心を持っている。それは今に始まったことではない。何千年も昔、バベルの塔を建てようとした高慢な人々がいた。

 彼らは言った。「さあ、われわれは自分たちのために、町と、頂が天に届く塔を建てて、名をあげよう。われわれが地の全面に散らされるといけないから。」(創世記11章4節)

 神への反逆が、塔を建てる目的になっている。

 地の全面に散らされてたまるものか、自分たちの力で塔を建て、俺たちの名誉を勝ち取ろうぜ!神なんてクソくらえだ!みたいなノリだったのだろうか。 

 しかし神様は、思い上がって高ぶる彼らの話ことばを、通じないように混乱させ、地の全面に散らしてしまったので、彼らはその町(バベル)に塔を建てるのをやめた。

 その町の名前”バベル”が、”バビロン”の言葉の由来となっているようだ。


 この13章でイザヤは、当時まだ小さな町でしかなかったバビロンが、将来やってくる「主の日」に、神の裁きを受けて滅ぶことになるぞ、と預言している。

 神様はなぜ、バビロンを滅ぼすのか、11節にその理由が書いてある。

「わたしは、世界をその悪のゆえに罰し、悪しき者をその咎のゆえに罰する。不遜な者の誇りをくじき、横暴な者の高ぶりを低くする。」


 神様が裁く対象は、自分を偉い人間と考えて相手を見下した態度をとる者や、権力や力をもって自分勝手な振る舞いをする者。つまり、神に逆らう者。

 神に選ばれた都と民を虐げたバビロンは、神に逆らう者としての象徴なのだ。

 聖書の最後のチャプター黙示録18章では、バビロンが倒れたことが記されている。イザヤの預言通りだ。

 神に逆らって高ぶる者は罪人であり、必ず滅ぼされる日が来る。

 

 愛する天のお父様。数値や文字や記号のようなデータや外側だけで人の価値を判断してしまいがちな私がいます。この社会で、いつも自分を低くし、謙遜に生きることは難しいです。でも、あなたは、きっと、私を清めてくださる方だと信じて祈ります。主イエスキリストの御名によってお祈りします。アーメン

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