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2022年4月4日 ディボーション

雅歌6章


『神が理想とされた夫婦関係』


 ソロモンの妻は、夫であるソロモンとの肉体関係を拒否してしまったことによって、夫婦の間に亀裂を生じさせてしまっていた。

 彼女は、夫を拒否したことを後悔していた。自分に背を向けて去って行った夫を探していると、「園の中で群れを飼うために、ゆりの花を摘むために、自分の庭、香料の花壇へ下っていかれた」(6:2要約)のを見た。これはきっと、大勢の女たちがいるハーレムに行く夫を見つけた、ということだろう。

 

 彼女はたぶん、ソロモンを一人占めしたかったのだろう、と思う。「私は、私の愛する方のもの、私の愛する方は私のもの」とわかってはいても、その方は「ゆりの花の間で群れを飼っている」からである。しかし、ソロモンはその庭で、彼女をほめ、自分には大勢の女性がいるが、愛しているのはあなただけだと語る(6:4〜10)。

 

 旧約時代、二重婚や一夫多妻制は許されていた。しかし、神がそれらを認めたわけでも、命じたわけでもない。現にモーセの律法には、「また王は、自分のために多くの妻を持って、心がそれることがあってはならない。」(申命記17:17)と書いてある。ただ、当時の状況から推測するなら、戦いによって多くの男は死んでしまうことから、女子の数が男子より増えてしまい、仕事を持つことを許されない女を守るには、妻や側女として迎えるしかなかった、という事情があったのかもしれない。

 

 大勢の女を囲う夫と、その妻が歩み寄れたのは、そこに神がおられたからである。解釈困難な雅歌も、神が理想とする男女間、夫婦間を示していると考えるなら、ソロモンとその妻の会話は、良い手本として捉えることができる。

 

 夫は、妻を愛することである。パウロは、エペソ人への手紙で、「夫たちよ。キリストが教会を愛し、教会のためにご自分を献げられたように、あなたがたも妻を愛しなさい。」と言われた。これは、「キリストと教会」の関係がそのまま、「夫と妻」の関係であるという意味である(エペソ5:23〜33)。

 この世には、妻以外に気を取られるものや、事柄はたくさんある。しかし、妻以外のことに気を取られすぎることで、夫婦関係にズレが生じてはいないだろうか。自分の妻を自分のからだのように愛しているだろうか。

 

 妻は、夫に従うことである。パウロは、「妻たちよ。主に従うように、自分の夫に従いなさい。」「教会がキリストに従うように、妻もすべてにおいて夫に従いなさい。」と言われた(エペソ5:23〜33)。

 妻は、無意識のうちに、夫を支配したいという欲があることを自覚しているだろうか。この無意識的支配欲は、創世記に登場するエバに与えられた呪いのひとつで、女性は皆、彼女より継承しているからである。

 神はエバに「また、あなたは夫を恋い慕うが、彼はあなたを支配することになる。」と言われた(創世記3:16)。この「恋い慕う」とは「支配したいと願う」という意味である。夫の考え方や食事の仕方、話し方に歩き方と、夫のすべてをある意味入念に観察し、気に入らないから変えようとしていないだろうか。自分の夫を敬っているだろうか。

 

 ソロモンはこの上なく妻を愛した。そして妻は、たとえ納得のいく状況ではなくとも、夫であるソロモンに従ったのである。その情景に思いを巡らしていると、その昔、佐藤初女という、日本のマザーテレサとも呼ばれた人の講演会でのことを思い出した。  


 彼女の講演会には、信者でない人たちもたくさん参加する。その会の質疑応答の時間だった。ある女性が「どうしたら幸せになれますか?」と質問された。その質問に対して初女さんは、臆することなく、「赦すこと、そして、受け入れることです。」と即答した。

 

 雅歌は解釈が困難な書である。しかしソロモンとその妻の関係を、愛による「赦し」と「受容」の関係として読むなら、雅歌は、神がソロモンを通して書き残した、賛美の中の賛美である。

                                             

祈り:夫婦関係について深く学ぶ機会を与えてくださり、感謝いたします。キリストの愛による赦しと受容によって、私たち夫婦がさらに一つとなっていくことができますよう、お導きください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

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