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2022年3月12日 ディボーション

箴言26章

『イエスさまの主の祈り』  箴言は今日も辛辣だ。愚か者や怠け者を容赦なく叱りさばく。「馬にはむち、ろばにはくつわ。愚かな者の背中にはむち。」3節、「愚かな者が口にする箴言は、足の萎えた者の垂れ下がった足。」7節。手厳しいなあ。  プーチンはロシア正教の信者なのだろうか。聖書を読んだことはあるんだろうか。愚か者は自分のことを愚か者だとは思わないので、みことばは届かないのだろうか。またもや憤慨がこみ上げてくる。  それでなくてもこの時期の私は、激しく動揺したり不安になった日のことを思い出し、平安を失いそうになる。  11年前の3月11日の震災の時、私は東京で仕事をしていた。体験したことのない地震。エレベーターが止まり20階の撮影スタジオから避難階段で地上に降りると、目の前の電信柱と電線が驚くほど揺れていた。 夫はその前の年、食道癌の大きな手術をしていた。胃も切除したので痩せてしまい、暖かなハワイで療養をすることにし、数ヶ月前からノースショアの家に滞在していた。余震が続く中、夫に電話をしたら、東北に津波が来ていると教えてくれた。自宅に被害はなかったものの、心細かったのですぐにハワイに行くことにした。私にとって最も心細いのは、術後の夫が全快するかどうか。喪失の不安。地震や津波はその不安を増幅させ、私のいる世界は恐怖だらけになってしまった。  小学校から大学まで一緒で、のちにシスターになった友人に連絡し、予定を早めてハワイに行くことを伝え、闇のような気持ちを聞いてもらった。すぐに彼女から『主の祈り 世界を包む祈り』という本が届き、メモが添えられていた。「7歳から10年以上毎日一緒にお祈りした「天にまします」だよ。忘れてないかもしれないけど、自分の字でお祈りを書き写して、それをゆっくり味わうように口づさんでごらん。本は飛行機の中で読んでね。」とあった。  私はまだ洗礼を受けていなかったけれど、友に言われた通りにした。本の著者はドイツ人の神学者ティーリケ。ナチスに迫害されても屈せず、空爆中も「主の祈り」の説教をし、教会の焼け跡の中で「主の祈り」のみことばを伝え続けた。その11回に及ぶ説教集だった。  震災、夫の死。私はハワイに移り住み、2016年にHCC で洗礼に授かった。神さまと教会の家族からたくさんの癒しと恵みをいただいた。 21世紀だというのに、疫病が世界を不安に陥れた。2年前の3月、今頃だったか、コロナが蔓延しかかる世界に向けて、ローマ教皇フランシスコは呼びかけた。「主の祈りを、世界中の皆さんで唱えましょう」と。  カソリックでなくても宗派を超えて祈れる「主の祈り」。イエスさまがこう祈りなさいと、直々教えてくださった主の祈り。疫病と野蛮な戦火が鎮まるよう、今また主の祈りを口づさんでいる。  閑話休題。レントのしおり、今日の黙想は一コリント2章2節 「なぜなら私は、あなたがたの間で、イエス・キリスト、しかも十字架につけられたキリストの他には、何も知るまいと決心したからです。」 パウロは豊富な聖書知識と経験と知恵を持っていた。しかし「決心」した。唯一、十字架のイエスさまでなければ、人は救われない。イエスさまだけを宣べ伝えようと。パウロのお祈りはきっと「主の祈り」だったのだろう。主の祈りは福音全体の要約、さすがイエスさまである。  神さま、イエスさまに教えていただいた主の祈りで祈ります。  聖書も開けないないほど具合が悪かったれいさんが、主の祈りを口づさんで癒しを得ていったように。「たじろぐな」のみことばに従い、再発からも快方の恵みを与えられているれいさんのように。神さま、感謝します。これからもどうぞ、れいさんと私たちを守ってください。イエスさまのお名前で祈ります。アーメン


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