箴言5章
『舌が知識を保つために』
「よその女の唇は蜂の巣の蜜を滴らせ、その口は油よりも滑らかだが、終わりには苦よもぎのように苦くなり、両刃の剣のように鋭くなるからだ。」(3〜4節)
3000年も前に書かれた文章なのに、現代小説のシニカルな一節みたいだ。今も変わらぬ人間の一癖をみごとに表現している。
”よその女”とは他国の女や遊女のことを指すらしいけれど、自分に置き換えることもできる。
前節の「あなたが思慮深さを守り、あなたの唇が知識を保つために」(2節)に反して、思慮深さを忘れ、唇が知識を保てず、あれやこれやを口走ってしまったら!? 口は災いの元、「物いえば唇寒し秋の風」と芭蕉も詠んでいる。私もつい余計なことを言ってしまう。怒りの言葉を発するとエスカレートしてキツイ言葉になったりする。
だから神さまから離れるなと7節。悪や罪を遠ざけ、近づくなと8節。悪や罪とは真っ向勝負する必要はない、戦うよりまずは離れること。逃げるが勝ちなのだと箴言はさとす。
確かにフェイクニュースやゴシップには、人を誘惑する蜜の味がする。近づけば常習化する。SNSが欠かせない私は、そうした情報から意識的に離れて遠ざけておくようにしている。それでも目や耳は刺激に弱い。せめて自分の口だけは、閉せるようになりたい。
ヤコブの手紙の3章は、「もし、ことばで過ちを犯さない人がいたら、その人はからだ全体も制御できる完全な人です。」(2節)、「しかし、舌を制することができる人は、誰もいません。」(8節)、いかに口をコントロールすることが難しいかを認めている。
だから口にくつわをはめられるように祈りたい。イエスさまが弁明も反論もせず、ののしられてもののしり返さず、私たちの罪を一身に負ってくださった十字架を仰ぎ見て。Ⅰペテロの手紙3:10で祈ります。
「いのちを愛し、幸せな日々を見ようと願う者は、舌に悪口を言わせず、唇に欺きを語らせるな。」
どうか神さま、悪から私を離して清めてください。愛から出ることばだけが口から出ますようイエスさまを見習わせてください。イエスさまのお名前で感謝して祈ります。アーメン
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