詩篇第一巻 19篇
『傲慢からお守りください』
全地は神を賛美している、とダビデは歌う。「天は神の栄光を語り告げ、大空は御手のわざを告げ知らせる。昼は昼へ話を伝え、夜は夜へ知識を示す。」(1〜2)
神は、ダビデの祈りを聞き入れ、その身をサウルの策略から守られた。ダビデの喜びと感謝の気持ちは如何ほどであっただろうか。人間の耳には聞こえないが、天も大空も、昼も夜も、神を賛美しています、と歌うダビデの喜びを想像した時、同じように、全地にあるすべてのものが、神を賛美しているように聞こえ、主の臨在を覚えずにはいられない。
さらにダビデは、「主のおしえは完全で たましいを生き返らせ 主の証しは確かで 浅はかな者を賢くする。主の戒めは真っ直ぐで 人の心を喜ばせ 主の仰せは清らかで 人の目を明るくする。」(7〜8)と主のみことばを褒め称える。永遠に変わることのないみことばは、私たちに恵みと祝福と平安を与えてくれる。
しかしここでダビデは、隠れた罪について言及している。その隠れた罪とは、「傲慢」である。彼は「傲慢が私を支配しないようにしてください」と祈る。
傲慢は人を滅びの道へ誘う。サウルや、ダビデの息子アブシャロムも、傲慢のゆえに滅んだ。神は、謙遜とは対極にある傲慢を忌み嫌われる。申命記9章には、傲慢に対する神の警告が書かれてある。カナン征服を前に、そこに住むアナク人という、大きくて背の高い民に対して恐怖を抱くイスラエルの民に対して、神ご自身が彼らを征服すると約束、そしてこう言われた。
「あなたの神、主があなたの、前から彼らを追い出されたとき、あなたは心の中で「私が正しいから、主が私をこの地に導き入れ、所有させてくださったのだ」と言ってはならない。これらの国々の邪悪さのゆえに、主はあなたの前から彼らを押し出そうとしておられるのだ。あなたが、彼らの地を所有することができるのは、あなたが正しいからではなく、またあなたの心が真っ直ぐだからでもない。これらの国々の邪悪さのゆえに、あなたの神、主があなたの前から彼らを追い出そうとしておられるのだ。また主があなたの父祖、アブラハム、ヤコブ、イサクになさった誓いを果たすためである。」(申命記9:4〜5)
この箇所から、傲慢は神の栄光を奪う罪であることがわかった。旧約時代なら、そのような国は根絶やしにされ、人は滅びたのである。しかし、キリストの十字架以降、すべての罪は悔い改めることによって赦されるようになった。なんという恵みの時代に、私たちは生かされているのだろうか。しかしその赦しも、私はクリスチャンだから、とするならそれもまた傲慢な思いである。キリストの十字架による救いは、神の恵みであり、栄光の現れである。神の栄光の故に、私たちは赦され、愛され続けるのである。
祈り:
悪魔が支配するこの世は、様々な誘惑に満ちています。特に日常生活において、ああ主よ、私はなんと傲慢な人間なのでしょうか。なんと、誘惑に弱い人間なのでしょうか。全知全能であられるあなたの栄光を、私のような小さき者が奪うなど、なんという無知、なんという愚かさでしょうか。しかしそれでも、それでも主よ、あなたは私を赦し続け、愛し続けてくださる。主よ、ダビデとともに祈ります。
「あなたのしもべを 傲慢から守ってください。それらが私を支配しないようにしてください。そのとき私は 大きな背きから解き放たれて 全き者となるでしょう。私の口のことばと 私の心の思いとが 御前に受け入れられますように。主よ。わが岩 わが贖い主よ。」(13〜14)
主イエスキリストの御名によって祈ります。アーメン。
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