詩篇第一巻 38篇
『舌で罪を犯さないように』
鉛のように重く暗い詩篇だ。記者は自分の罪の重みに心が折れている。体は病に冒されている。昔は伝染するといわれていたツァラアト、らい病だ。愛する者も友も肉親も離れて独りぼっちになっている。
子どもの頃、クラス全員シスターに引率されて、映画『ベン・ハー』を観に行った。お母さんと姉妹がらい病になり、山奥に追いやれれているところに息子ベン・ハーが会いに行くのだが、らい病が怖くて、離れたところで声だけを聞くシーンが切なくて、なんでこんな映画を見なくちゃいけないのかと思いつつ、あまりの長編に途中で眠ってしまった。
この詩篇の記者は、罪を、病を、孤独を、敵からの悪意や攻撃を、洗いざらい神さまに話す。鬱積した感情を切々と訴える。そうして吐き出すうちに、沈黙へと導かれていく。
「しかし 私は聞きません。聞こえない人のように。口を開きません。話せない人のように。」13節
口は災いの因、幸福論の筆者も「沈黙で失敗する者はいない」と進言する。詩篇39に読み進むと、
「私は言った。私は自分の道に気をつけよう。私が舌で罪を犯さないように。口に口輪をはめておこう。」1節
という決心に至る。
私にも最近、思い当たることがあった。アーメンだった。口に口輪をはめて口を慎もう。
「ことばを控える人は知識を持つ者。霊において冷静な人は英知のある者。」箴言17:27
御意。
続く28節は「愚か者でも黙っていれば、知恵のある者と思われ、その唇を閉じていれば、分別のある者と思われる。」って、あの、これってただの処世術みたいに感じる私は間違い?
また軽口をたたいてる。反省。
愛する天のお父さま、なんでも話せる、聞いてくださるあなたがおられることを感謝します。
「主よ 私を見捨てないでください。わが神よ 私から遠く離れないでください。急いで私を助けてください。主よ 私の救いよ。」38:21〜22
主よ、わが神よ、私の救いよと、慕い求める祈りに心を合わせます。鉛のように重く暗い状況にあっても、赦しの秘跡を祈る38篇を愛唱します。ありがとうございます。
イエスキリストの御名でお祈りします。アーメン
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