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2021年1月3日

2021年1月3日ディボーション

旧約聖書:1列王記12章 

 さて12章においては、ソロモン王の死後の後継者争いが記されている。実子であるレハブアムと家臣のヤロブアムとの間における争いが勃発したのだ。

 結果として、レハブアムは、南2部族(ユダ部族、ベニヤミン部)の王となり、ヤロブアムは北10部族の王となる。ここにイスラエル王国は南北分裂時代を迎えるのだ。

12章28節~33節には、北王国の王となったヤロブアムの罪が記されている。このヤロブアムの罪が、約200年間の北王国の歴史にあり続け、やがて滅亡へと導くものとなった。歴代の19人の王に繰り返されているフレーズが「ネバテの子ヤロブアムの罪に歩んだ」ということばである。

 さて、イスラエルが南北に分裂したことによって、北王国には大きな問題が生じた。それは、神の都エルサレムと神殿は、すべて南にあるということだ。神殿とは、神のお住まいで、民は祭りの度ごとに巡礼に行く。これは民族のアイデンティティなのだ。そこでヤロブアムは考えたのである。もし民が祭りのたびに南に巡礼しに行ってしまったら、やがて人々は南に行ってしまうだろうと。

 ここに、問題が3つ生じた。北王国には、神殿がない、さらに神殿で奉仕する祭司がいない、だから祭りを持てない。これでは、民をまとめることが出来ない。

 そこでヤロブアムが考えたアイディアは見事であった。まず、祭りを南よりも一か月前に北で持つようにしたこと。祭司をレビ人以外から任命したこと。さらに神殿に代わる場所として、ダンとベテルの二か所に礼拝所を設けたこと。そして、この2か所に金の子牛を置いて、これが私たちの先祖エジプトから解放してくれた神さまだとしたこと。これで、民は南のエルサレムに行くことなく、北で祭りを持ち、神さまも居てくださるということにしたである。

 表面的には、礼拝所があり、祭司がいて、祭りもある、しかも礼拝所は、丁寧に2か所もある、便利である。しかし、これらすべては、神の律法にそむくことであった。祭りの日は律法で決められていて勝手に決めてはいけないのだ。祭司もレビ人以外はなってはいけないし、すべてが偽物であった。そして決定的なのが、金の子牛を神にしたことである。

 これがヤロブアムの罪と呼ばれるものになった。この罪が、これから200年後の滅亡に至るまで、ヤロブアムの罪としてまとわり続けたのだ。

語られたこと

 神の契約の箱がそこにあるのか、それとも金の子牛があるのか。同じ神の名をつけていても、その実体はまったく違う。私たちの信仰にとって、実体が大事なのだと学んだ。

祈り

 天の父なる神さま。私たちの信仰が実体を伴ったものでありますように。神の名前をつけた偶像を作り出すことがありませんように、私たちの心の道筋をお守りください。アーメン

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